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【AutoCAD】線種設定_08 線種尺度_「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」の使い方

今回は、「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」という機能を説明します。

「守破離」で言うところの、「離」にあたる機能です。線種を自由自在に操るための最後の機能となります。

今まで解説したことから「転じる」ような機能です。ですが、なるだけ今までご紹介した絶対線種尺度に絡めた説明にしますので、リラックスしてお読みください。

Autodesk(オートデスク)

「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」とは ビューポート尺度を(計算上)無効にする機能

まずは、よくある不具合(ほんとうは不具合ではないのですが)からご紹介します。

あなたは、モデル空間で図面を仕上げて、ペーパー空間でレイアウトを作り、さあ出力だ!と意気込んでいました。

しかし、あなたが意図した線種と全く見え方が違います。

絶対線種尺度も考慮しました。A1で出力するから、基本的にはモデル空間と同じような見え方になるはずです。

なに?なんで?キーッ!いつものパターンです。AutoCADは何かやろうとすると我々に試練を与えてきます。CAD技術者の高みに行くための試練を与えられているのです。

この不具合(ほんとうは不具合ではありません)は、「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」チェックボックスがオン(☑状態)になっているために起こります。

結論を言うと「ビューポート尺度を(計算上)無効にする機能」と思ってください。最終絶対線種尺度を換算する計算上、無効にします。実際のビューポートはもちろん、1/100だったり、1/1000だったりします。

公式のチュートリアルなどでは、このような説明をしているものはありません。筆者の独自の理論。いままで学習した「絶対線種尺度」を絡めて考えると、この考え方のほうがしっくりくるはずです。

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最終絶対線種尺度の復習

まずは謎解きをする前提として、「最終絶対線種尺度」を思い出してください。

「最終絶対線種尺度」は、「絶対線種尺度」を出力時まで拡張した機能でした。

忘れてしまっていた方、または、途中から読み始めた方は、以下の記事にて復習をお願いします。

ざっくり復習すると、以下のような式で整理しました。

最終絶対線種尺度

(最終絶対線種尺度)=(絶対線種尺度)/{(ビューポート尺度)×(印刷尺度)

普段は、あくまで絶対線種尺度を意識します。そして、出力の時に、最終絶対線種尺度まで考慮するとお話しました。

今回の不具合の起こった図面ですが、実際は、下図のような見せ方にしたかったはずです。

この図面は、いままでの学習で説明した「 尺度設定にペーパー空間の単位を使用 」のチェックボックはオフ(□の状態)です。

図面番号_01とします。この時の最終絶対線種尺度に着目してください。

図面番号_01
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最終絶対線種尺度をさらに拡張

「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」をオン(☑の状態)にするとき、 「ビューポート尺度を(計算上)無効」にしますので、いままでの最終絶対線種尺度の式中の「ビューポート尺度」が常に「1」になる、と考えてください。

そのことを踏まえ拡張した式が以下になります。1/100だろうが、1/1000だろうが、1/10だろうが、「1」にして式に当てはめます。

最終絶対線種尺度(ペーパー空間の使用版)

(最終絶対線種尺度)=(絶対線種尺度)/(ビューポート尺度)×(印刷尺度)

A1で考えると印刷尺度は1ですので、絶対線種尺度そのものが出力される、と考えられます。

このことを踏まえて、不具合(ほんとうは不具合ではないんですが)が起きた時の図面を見てみましょう。図面番号_02とします。最終絶対線種尺度に着目してください。

図面番号_02

最終絶対線種尺度を比べると、なぜ図面番号_02が思い通りに印刷できなかったが理解できると思います。

図面番号_02のほうは、ビューポート尺度が1になった分、最終絶対尺度がが大きな値で出てしまうのです。そのため、出力する図面に比べて、点線の間隔が大きくなり表現できなかったのです。

図面番号_01,02換算表比較
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「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」 の利用シーン

なんだか「?」状態になっているのではないでしょうか。

なんでこんな機能あるん?というのが正直な筆者の気持ちです。ですが、何らかのニーズがあったからこそ機能というのは実装されるはずです。

さらに謎を読み解いていきます。すなわち、この機能の利用シーンを考えてみたいと思います。

線種管理の 「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」 の部分に、マウスを近づけると、説明が出てきます。この説明にヒントがありあそうです。

これを読み解くと、どうやら、1枚の図面に、異なる図面尺度のビューポートを複数挿入したときに、点線が同じように見える機能、ということのようです。

AutoCADは、ビューポートという「窓」を1枚の図面に多数入れることができます。ビューポートの説明は今回はいたしません。

今までの、図面は1つのビューポートだけを使用していました。これを複数用意してみます。

まずは、下の図をご覧ください。図面番号_03とします。この図面は、「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」 をオフ(□の状態)にしています。

そして、この図面は、別々に書いた図面の一部分をビューポートを3つ作って並べた物です。

図面番号_03

明らかに線種尺度(点線間隔)が違うことがわかります。1つの図面に複数のビューポートを挿入すると、こういう問題が起きるのです。

これでも良い、という場合は全く問題がないのですが、全部同じ間隔にして!という指示が顧客なり上司などから来ることがあります。

そういう時に効果を発揮する機能が、 「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」をオン(☑状態) なのです。

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ペーパー空間の尺度が線種尺度になる

「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」をオン(☑の状態)にするとき、「ビューポート尺度を(計算上)無効」になる、と説明しました。

これは、要は、「ペーパー空間」の線種尺度を使用するよ、ということです。

もっと言えば、ペーパー空間なので「1/1」からスタートするよ、ということです。それぞれのビューポートに尺度(1/100や1/1000)を設定しても、「1/1」だよ、ということです。

これを、最終絶対線種尺度の計算で実現すると、 「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」をオン(☑の状態)にするとき、「ビューポート尺度を(計算上)無効」になるのです。

図面番号_03 の3つのビューポートの点線の間隔(線種尺度)を合わせてみます。図面番号_04のようになります。

図面番号_04

ペーパー空間にて、「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」をオン(☑の状態) にします。そして、ペーパー(白い紙を模したところ)の欄外に点線を引きました。尺度1.0です。

しっかりと、点線として認識できるようです。この尺度であれば、紙で主力しても点線として認識できるはずです。

「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」をオン(☑の状態)にしていますので、ビューポート内の線に関してもこの尺度(1.0)にすれば、同じ見え方になるはずです。

図面番号_03の図面をモデル空間上で、線種尺度を「1.0」として、ペーパー空間で見え方を確認したのが下の画像です。

3つのビューポート全て、点線間隔が同じになっているのが確認できます。

図面番号_04をペーパー空間で確認した画像

モデル空間での線種尺度が1.0になっていることも確認しておきましょう。ペーパー空間上で、ビューポート枠をダブルクリックしてモデル空間にして、線種尺度を確認したのが下の画像になります。それぞれ、線種尺度「1.0」になっていることが確認できます。

図面番号_04の最終絶対線種尺度の換算表は、以下のようになります。

ビューポート尺度の計算を無効(1.0)にしたことで、最終絶対線種尺度が1.0となり、線種間隔が揃ったということになります。

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モデル空間上では、逆に線種尺度の確認が困難になることもある

注意すべき事は、ペーパー空間にした時は、はっきりと点線間隔が見えましたが、モデル空間では逆に見え辛くなります。

あくまでも、絶対線種尺度が1.0ですので、一般の土木図面(1/50とか、1/100)ですと、モデル空間上では、線種間隔が狭すぎて表現できないことは、いままでの学習からご理解いただけると思います。

念のため、図面番号_04をモデル空間上で見た時の見え方を下図で確認しておきましょう。

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「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」を使用しないやり方

「尺度設定にペーパー空間の単位を使用 」の機能の意義や、使い方はご理解していただけたと思います。

同じことを、「尺度設定にペーパー空間の単位を使用 」をオフ(□の状態)で実現してみましょう。

いままでの学習を進めてきた方には簡単なことです。中には、「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」オン(☑の状態)での説明で、「なんでこんなことやってん?」と思った方が多数いらっしゃると思います。めっちゃ鋭いです。

最終絶対線種尺度にさえ換算できればよい

要は、最終絶対線種尺度をそれぞれのビューポートで合わせてあげればよいだけです。そうすれば同じ見え方になるのです。

単にそれだけの話なのです。

モデル空間で、それぞれのビューポートの元となる線を、最終絶対線種尺度になるようにすればよいのです。

図面番号_05は、「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」 をオフ(□の状態)にしています。

ですが、3つのビューポート全ての点線間隔が同じになっています。

図面番号_05

結局、最終絶対線種尺度が3つとも同じ「1.0」ですので、同じ見え方になるのです。もちろん、 「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」をオン(☑の状態)にした図面番号_04と同じ見え方です。だって、最終絶対線種尺度が同じなのですから。

たとえば、ペーパー空間で点線を引けば、それは、すなわち絶対線種尺度ですから、例えば「1.0」であれば、ビューポート尺度がわかれば、モデル空間での線種尺度をいくつにすればいいかが逆算できるはずです。

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まとめ

「尺度設定にペーパー空間の単位を使用」をオン(☑の状態) について意義と利用方法について学習してきました。

結局のところ、「最終絶対線種尺度」が理解できれば、この機能は使わなくてもよいです。

逆に、使わないほうがよいと筆者は考えます。

「最終絶対線種尺度」の理屈をこれまで学習してきた方からすると、なぜこのような機能があるのかさえ不思議かもしれません。一見ユーザーを惑わせるような機能とすら思えてきます。

注意点とてしは、デフォルトではこの機能がオン(☑の状態)になっています。

そしてレイアウト毎に設定するようになっているようですので注意してください。

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線種設定を操り見栄えのよい線を引きましょう。

線種尺度に関する全てがここに記してあります。

【AutoCAD】線種設定の研究