【AutoCAD】引出線の研究03_引出線(LEADER)(2)_引出線の角度をビシッとそろえる

こんにちは!荒川編集室代表荒川です!

前回は、「引出線(LEADER)」の設定について、独自に設定するのではなく、「寸法スタイル(DIMSTYLE)」に準拠することをお話しました。

今回は、 「寸法線(LEADER)」 の角度をビシッとそろえる方法について考えていきます。

今回は、「オマケのこだわり」として、矢印部分の長さも合わせてみます。今回は2000(mm単位、1/100で20mm相当)としてみます。実際ここまでこだわっている人を筆者はみたことはありませんが。

(最終的に)「引出線(LEADER)」の角度を合わせる

本ブログでは、荒川(以下:筆者)のお気に入りの60°系の角度になった引出線を考えていきます。特に、45°系や30°系などお好みの角度をお試しください。

60°系とは、60°,150°,240°,300°でそろえることです。

60°系の引出線

もちろん、角度なんて関係ねーよ、というのであればそれが一番いいです。筆者も、もともとそんなこと全く気にしないタイプなのですが、上司や発注者でこの辺をこだわってくる人がいる場合、対応せざるをえません。そういったときに活用いただければと思います。

また、「引出線(LEADER)」、「クイック引出線(QLEADER)」には、角度合わせにおいて、致命的な弱点があります

この欠点は、多くのCADマニアの方々から非難囂々(ひなんごうごう)の声が出ています。筆者も、これはいかがなものか、というように思っています。

この辺を対策を含めて研究していきます。

角度を合わせる方法を考える

さて、具体的に、角度を合わせる方法を考えてみます。

「引出線(LEADER)」は、「寸法スタイル(DIMSTYLE)」に準拠します。「 寸法スタイル(DIMSTYLE)」 に、角度を合わせる項目はありません。

はて?どうすっぺ?となります。

そこで思いつくのが、角度が合わせられないのだったら、何か目印的な物を設けて、それに合わせる、という発想になると思います。

  • 60°の補助線を引いて、その線に引出線を重ねる

という方法が、一般的なかと思います。この方法で話を進めていきたいと思います。

筆者の知らない方法がまだあるかもしれません。そういった場合は、コメントでシェアしていただければ読者みんなの技術力アップに繋がるり社会に有益だと思います。

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補助線を使用して引出線の角度をそろえる方法

60°の補助線の引き方は大丈夫かと思います?もし初心者の方であったり、やり方があやしい人などいましたら、筆者の世界一わかりやすい土木図面CAD講座を受講して復習しておいてください。記事終わりにリンクを掲載しておきます。

目的物として、以下の画像のような引出線を書きます。

補助線を用いて書いた引出線

補助線を使用して引出線を書いてみるが、致命的問題が発生する

補助線を使用して、引出線角度をそろえる具体的ステップを書いてみます。「引出線(LEADER)」のガイドに従って以下のようになりそうです。

  • 角度60°の補助線を引く
  • 端点(矢印の基点)をクリック
  • もう一方の端点(折れ点)をクリック
  • 文字列記入

ちなみに2000の長さは、いろいろやり方はありますが、今回は、長さ2000の補助線をもう一本引いて、そちらに合わせました。長さ2000,60°の線の書き方は解説いたしません。(わからない方は筆者の基本講座のご受講をおすすめしますが、要望が多数であれば、記事化も考えます。)

角度そろえ引出線関係図

このステップにそって、「引出線(LEADER)」で書いた引出線が以下のGIF画像です。

「引出線(LEADER)」のガイドに従ってやったが・・・

コマンドラインのガイドに従ってやりましたが、どうも、思い描いたイメージとは違います。

最後、折れ点をクリックした後に、ペコッ、と横にずれてしまいました

そうです。これが、「引出線(LEADER)」の致命的弱点です。これは後に学習する「クイック引出線(QLEADER)」でも同様の弱点になります。

左にペコッ、とずれた「クイック引出線(QLEADER)」

角度もずれましたし、矢印部分の長さも、2000縛りとしたかったのですが、1908となってしまっています。

こういうものだ、と思うことができる方であれば、このままでもいいです。重要なのは、引出線に記される情報であって、引出線の体裁ではないのですから。

なんだか納得できない理屈っぽい向けの方向けに、なぜ、こういう「不具合」が起きてしまうか研究していきます。

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折れ点ではなく参照線に合っている(アジャストされている)

なぜ、こんなことになるかというと、これは、端点(矢印の基点)と参照線の端点とがアジャストされる仕様となっているために起こります

なんでこんな仕様にしたん?とても不思議な仕様です。

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折れ点と、参照線端点の距離はどうやって決まるのか?

嘆いていても仕方ないので、この仕様でなんとか対応するしかありません。

この仕様を加味して引出線の角度を合わせていくことを考えていきます。

そこで、ポイントとなるのは、折れ点と、参照線の間の間隔(長さ)です。この長さがどうやって決まるのかがわかれば、対応が見えてきそうです。

解決のカギはこの距離だ!

筆者が調べきることができなかっただけかもしれませんが、この間隔(長さ)については、Autodesk社のAutoCADチュートリアルや、AutoCADの解説サイト等では出ていないようです。そんなことをいちいち気にする人もいないのかもしれません。

そこで、筆者のほうで、いくつか実験的に解析しておそらくこれだろう、という法則を見つけました。

(折れ点~参照線端点距離)=(矢印のサイズ)×(全体の尺度)

実験でいきついた結論は、上のような式になります。

矢印のサイズや全体の尺度は「寸法スタイル管理(DIMSTYLE)」で設定します。

今回使用している引出線の矢印サイズは2、全体の尺度を100としていますので、200間隔が開きます。その様子を表したのが下の図になります。

折れ点~参照線端点の距離

矢印サイズによって変わってくるというのは少し意外でした。

長さの算出方法さえわかってしまえば、こちらのものです!

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折れ点~参照線端点までの距離を利用して引出線角度を合わせる

矢印部分がズレるメカニズムを解析することができました。ここまでわかれば、想定する角度(ここでは、60°)に合わせることができそうです。

(折れ点~参照線端点距離) を0にする方法

(折れ点~参照線端点距離)=(矢印のサイズ)×(全体の尺度) の式から一つの手っ取り早い方法がわかります。

(折れ点~参照線端点距離) を0にすれば、ズレません。ということは、矢印サイズを0にすればいいんじゃね?となります。矢印サイズを0にして書いた引出線が下の図になります。

確かに、念願のピッタリ、ビシッ、と60°に合いました!

矢印サイズを0にした引出線

でも・・・矢印ほしくね?

そうです、引出線に華を沿える矢印がなくなってしまいます。角度はバシッ、と設定できましたが、本末転倒のような気がします。

やろうと思えば、この引出線に60°に回転させた矢印をくっ付ける方法もあります。

ですが、ここまで研究したら、矢印もありつつ、矢印部分の角度をビシッ、と合わせたいですよね。別の方法を考えてみましょう。

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折れ点~参照線端点までの距離分だけ最初から補助線を寝かせる方法

今回の実質的な答えになる方法です。

折れ点~参照線端点までの距離だけズレるのですから、あらかじめ補助線をこの分だけズラして(寝かせて)おけばいいのです。

ズレる分だけ最初から補助線を傾ける

今回の例でいくと、200だけ右にズレたところでクリックすればよいはずです。

下のGIF画像が、200ズレた所でクリックしたものとなります。「引出線(LEADER)」の操作手順を含めて確認してください。

最終的、補助線を削除してできた引出線が下の図になります。

バシッ、と60°、矢印部分2000の長さの引出線ができました。

最終的な引出線

引出線の折り曲げ数を3にする

なんだか、なぜこんな仕様になってしまのかまったく理解できませんが、折曲げの数を3、要は折れ点のクリック数を2つにすれば、ズレません

このことを利用して、1つ目の折れ点をクリックした後、水平方向にもう一点クリックすれば、ズレないのです。要は、参照線ができない、ということです。

引出線を書く様子をGIF化したのが以下の画像となります。

横にズレない方法
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まとめ

いかがでしたでしょうか。致命的な欠点の意味がわかっていただけたと思います。

しかし、ズレる距離をあらかじめ計算してその分ズラせば、意図した角度の引出線を書くことができまます。

それよりも、もう1点水平なところでクリックする方法のほうがいいかもしれません。

一つを書いてしまえばあとは複写(COPY)が鉄則

「参照線ズラし作戦」にしろ、「折れ点の次に水平な点を作る作戦」にしろ、100個引出線を書かなければならない箇所があったら、まさか、100回分 同じ事をする、なんてことを言う方は、一から修行しなおしです。

実際は、一つだけ書いてしまえばあとは「複写(COPY)」して、文字だけ編集してください。

いちいち新規に書いてはいけません。そんなことをすると、何時間あっても作業が終わることはないでしょう。

60°を書きましたが、120°、240°、300°の4種類あれば、まず困ることはないでしょう。4種類書けばいいです。それさえも、「鏡像(MIRROR)」コマンドを使えば、新規に書く必要はありません。

できるだけ、手間をかけないで業務を遂行するようにしたいものです。

次回は、引出線の位置変更を研究します

苦労した書いた引出線ですが、位置を変更する必要が生じました。

そこでまた、ちょっとした問題が発生します。

「引出線(LEADER)」や「クイック引出線(QLEADER)」は、「マルチ引出線(MLEADER)」という完成形ができるまでの「つなぎ」としての機能ではなかったか、と思うことがあります。

今回の不具合もそうですし、位置変更にしても、なんとも「中途半端な機能感」を感じざるをえません。

次回、そのあたりを踏まえて語りたいと思います。

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このシリーズの一覧はこちらから

引出線の仕組み、クセを読み解き、美しい引出線で図面に華を沿えましょう。

ぜひご活用ください。

【AutoCAD】引出線の研究

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