こんにちは!荒川編集室代表荒川です。
前回は、「引出線(LEADER)」の角度を合わせる方法を学習しました。
折れ点を一つにすると、ペコっと、横にズレてしまいました。水辺にもう一回クリックするとズレないという、なんとも中途半端な仕様でした。
しかし、実際は、一つ作ってしまえば、あとは複写(COPY)して使いますので、とりあえず、一つ作ってしまえばよいのです。
今回は、作った引出線の角度はそのままに、位置を移動する際の不具合や対策について研究・学習をしていきます。
「引出線(LEADER)」は、開発途上の機能だ、という荒川(以下:筆者)は推察しました。今回の移動にしても、開発途上の機能ゆえ、えっ?なに、変じゃね?と思うような挙動を示します。
その点を対応を含めて説明いたします。

引出線移動の不具合例
引出線を選択したときにできる点をクリック移動して不具合事例をみていきたいと思います。
不具合1:折れ点をクリック移動しても、参照線や文字が追随しない!
AutoCadを少しでもいじっている人からすると、折れ点をクリックして目的の所へもってけばいいんじゃね?と、思います。何も難しく考える必要ななさそうですが、そうはいきません。
ためしに、折れ点をクリックして画像が以下のGIF画像となります。

は?と、少し情けない気持ちになります。覚えきれないくらいの機能がモリモリのAutoCadなのに、こんなことができないんだ、、、と思ってしまうのです。
後に研究していく「マルチ引出線(MLEADER)」では、この点が改善されていますのでご安心いただきたいのですが、取り急ぎ、「引出線(LEADER)」と「クイック引出線(QLEADER)」に関しては対策をしていかなくてはなりません。
目次に戻る←←←不具合2:参照線端点をドラッグ移動しても、文字が追随しない、形状が変になる!
折れ点がダメであれば、参照線端点ではどうか?と思います。まあ、結果は見えていますが、ダメです。文字が追随しません。
しかも、折れ点のところが「く」の字になって「クイック引出線(QLEADER)」が変形してしまいます。

不具合3:文字挿入基点をクリック移動すると、形状が変になる
最後に、文字の挿入基点をクリックして移動してみます。いままでの不具合事例からして、文字だけ移動しそうですが、なぜか、引出線が追随します。
なんともちぐはぐな仕様です。

引出線と文字を選択して移動(MOVE)
引出線移動の際のこれら不具合を踏まえて、対策を考えてみました。
角度60°を保ったままの移動ということにこだわるのであれば、引出線と文字を両方選択して移動(MOVE)コマンドを使って目的の点まで移動した後、矢印を伸ばす、という方法が現状一番効率がよいと思います。

矢印を伸ばす際は、仮想交点で伸ばすのがポイント
上の画像(GIF)では、矢印を伸ばすときに、「Shift + 右クリック」を使って「優先スナップ」を呼び出して、「仮想交点(A)」で矢印の目的のところまで伸ばしました。
「仮想交点(A)」は少し手順と操作に癖がありますので、上のGIF画で確認してほしいのですが、「延長(EXTEND)」ではダメなのか?という声が聞こえてきそうです。
「仮想交点(A)」よりも、「延長(EXTEND)」のほうが、使う機会が多く、使い勝手のよいコマンドだからです。
ですが、試してみるとわかるのですが、引出線の矢印側の延伸に「延長(EXTEND)」はなぜか使用できません。

まとめ
「引出線(LEADER)」は、便利なのですが、最初に書いたとおり、発展途上の機能です。
今回のような不具合があります。それでいてけっこう使っている図面がありますので今回の記事を活かしていただければと思います。
線(MLEADER)」ではこのあたりの不具合がずいぶんと解消されていますので解説を楽しみにしてください。
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