こんにちは!荒川編集室代表荒川(以下:筆者)です!
今回から、「クイック引出線(QLEADER)」の研究へと進んでいきます。基本的には、今まで学習してきた「引出線(LEADER)」の進化型と思っていただいていいでしょう。「引出線(LEADER)」との思想的、構造的にもほとんど同じです。
両者の違いなどを説明しながら、前回もやった、「角度と引出線長さをビシッ、と整えた」引出線を書けるようになっていただきます。

「クイック引出線(QLEADER)」は独自に設定ができる
「引出線(LEADER)」との唯一の違いと言ってもいいかもしれません。「クイック引出線(QLEADER)」には、独自の設定画面があります。
この設定画面で、角度を指定(15°単位ですが)や文字の接続位置などを設定することができます。

設定画面の読み込みはコマンドを打ち込んですぐに
「クイック引出線(QLEADER)」は、デフォルトでは、アイコンはありません。実行には、コマンドを打ち込む必要があります。
コマンドは、「QLEADER」です。そして、設定画面を開くには、このコマンドを打ち込んだ直後に、オプションで「設定(s)」をクリックまたは、「s」を入力します。

ベースの設定は、寸法スタイルによる
そもそもの設定は、「引出線(LEADER)」と同様に寸法スタイルによります。つまり、矢印のサイズや種類などです。
目次に戻る←←←「クイック引出線(QLEADER)」で角度を指定する方法
それでは、冒頭に画像を載せた、いつもの引出線の設定をしていきます。
まずは、引出線の設定画面を出します。3つのタブを設定していきます。
簡単にそれぞれのタブの設定項目をみていきます。
注釈タブの設定
注釈タイプは、「マルチテキスト」にしてください。デフォルトもこの設定になっています。
それ以外の設定項目について、筆者は実は設定したことがありません。ほとんど、触る必要はないでしょう。
マルチテキストのオプションもについても、特に説明の必要はないでしょう。文字を枠で囲むを選ぶと文字列周りが囲われます。筆者は使ったことがありません。

引出線と矢印タブの設定
基本の設定は、「寸法スタイル」による、と書きましたが、矢印のタイプはこちらでも選択できます。通常は、寸法スタイルの矢印と合わせるケースが多いと思われます。もし別の種類を使うのであればこちらで設定してください。しかし、サイズに関しては、やはり「寸法スタイル」によります。
角度拘束が重要となります。今回のように、60°系にビシッ、と全部そろえるなれば、こちらで設定してください。
今回の例の引出線であれば、1番目のセグメントの角度を設定します。
まあ、そんなの任意でいいんだよ、というのであれば、任意の角度を選んでください。
角度設定ですが、「15,30,45,90,水平」の設定しか出てきません。17°とか27°などに合わせるならば、別の手立てを講じるしかありません。
今回は、60°を設定したいのですが、はて?どうしよう、というお話になります。
そこで、今回は、「15°」を選びました。後ほどやりますが、15°単位で動いていきますので、4回動かすと60°になる、という目論見です。30°にしておけば、2回で済んだのですが、そこはご愛敬で・・・

「アタッチ位置」タブの設定
アタッチ位置とは、引出線の参照線と文字との接続位置のことです。「引出線の参照線」は、このシリーズ始めに解説しました。忘れた方のため、下の画像を参照くださいませ。

アタッチ位置は、下の画像のように、何種類か設定できます。右に文字があるとき、左に文字があるとき、それぞれに設定できます。

今回の目的としては、文字の下に線を引くタイプですので、上の画像のように最終的には設定します。
これらを、一通り、設定して書いてみましたので、参照線の位置がどのようになるか、確認してください。
先頭行の上

先頭行の中央

マルチテキストの中央

最終行の中央

最終行の下

最終行に下線
通常土木工事の図面などで使われる引出線、今回書こうとしているような引出線は、こちらの設定になります。要は、文字の下に線を引きたい時に使う設定となります。
今回の例のように、例えば、2段書きになっていて、1行目の下に線を引く、というような設定はできません。別途工夫が必要になります。

今回まとめ
「引出線(LEADER)」と違い、「クイック引出線(QLEADER)」は、独自の設定画面を持ち、角度も15°単位ですが、設定をできます。
今後、研究していく「マルチ引出線(MLEADER)」に比べると、若干、枯れた機能かもしれません。まあ、アイコンすらないのですからね。
しかし、「クイック引出線(QLEADER)」が使いやすい方もいるのも事実です。「マルチ引出線(MLEADER)」を使うにしても、頭の片隅にでも置いておいたほうがよいでしょう。
次回は、実際の書き方を解説していきます。
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