【AutoCAD】引出線の研究09_マルチ引出線(MLEADER)(2)_マルチ引出線の書き方

こんにちは。荒川編集室代表荒川です!

前回は、マルチ引出線の概要をお伝えしました。ほとんど、弱点のない洗練された引出線だということが理解していただけたと思います。

今回は、肝心の書き方について研究していきます。

いつものように、土木図面一般でよく用いられる下の図のような引出線を書いて行きます。

いままで学習してきた他の種類の引出線とほぼ同じになりますので、設定方法が主題となります。

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マルチ引出線スタイル管理

マルチ引出線の設定は、「マルチ引出線スタイル管理」から行います。

「ホームタブ」、もしくは「注釈タブ」から行います。「ホームタブ」にあるマルチ引出線に関するアイコンは、簡易的な物です。「注釈タブ」には、引出線のコーナーがあるので、そちらからのほうがわかりやすいでしょう。

ホームタブからいけなくもないが・・・
注釈タブからのよいでしょう

上の2つの方法のどちらかで、「マルチ引出線スタイル管理」を呼び出すと、下のような設定画面が現れる。

マルチ引出線スタイル管理の画面
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「マルチ引出線スタイル管理」の設定例

細かく設定していくと、キリがありません。ここでは、今回目標とする土木図面一般向けの引出線が書く前提として、設定例を示します。

今回は、60°設定しばりといたします。引出線の長さは任意とします。

角度と、距離を全て決めてしまいたい、という方は、ダイナミック入力(F12)を使用することになりますが、これをやってしまうと、「マルチ引出線スタイル管理」から角度を設定する意味がなくなってしまい、元も子もなくなるので、省略します。下の記事と同じやり方になりますので参照なさってください。

「引出線の形式」タブの設定例

「マルチ引出線スタイル管理」の新規作成、もしくは、修正ボタンを押すと、具体的な設定画面となります。

まずは、「引出線の形式」タブの設定例です。一般のところは、下の画像と同じでよいでしょう。ちなみに、「ByLayer」と「ByBlock」を説明し始めると、かなりややこしいので、またいつか、研究していくことにします。取り急ぎ、「ByLayer」にしておくと間違いないでしょう。

このタブでのキーポイントは、「矢印」の項目になります。記号の種類は、お好きなものを選択していいです。

サイズは、あくまでも、紙(もっと言えばA1サイズの用紙)で出力したときのサイズにしてください。のちほど、「引出線の構造」タブで尺度を設定しますので、紙に書いたときのサイズでいいのです。

ここでは、土木製図基準に記載のある「2.0」としました。一般的にはこのサイズ感ではないでしょうか。

「引出線の形式」タブの設定画面

「引出線のマスク」についても、ここでは、説明を省略します。実用的にはあまり使用する機能ではありません。

「引出線の構造」タブの設定例

次に、「引出線の構造」タブの設定を行います。

「引出線の折曲げの数の上限」を「2」とします。画面の右側のプレビュー画面のように、いま我々が書こうとしている引出線形状になっていますが、折れ点は1点でね?という突っ込みがきそうです。

これは、以前ご紹介した、記事に理屈をつけて書きました。これと同じと考えてください。以下の記事となります。

「1番目のセグメントの角度」で「60°」にします。これで、60°周りに動きを拘束するのです。

「引出線の構造」タブの設定画面

そして、マルチ引出線スタイル管理で、一番重要な設定となる、「尺度の指定」となります。AutoCADは、どこまでいっても、何をやるにも尺度との付き合わなければなりません。最初から最後まで尺度なのです。

(出力しようとする)想定する尺度を指定してください。この場合だと、尺度「100」で指定しました。これをすることによって、例えば、上の項、「引出線の形式」タブで設定した、矢印サイズ「2」が100倍されて、画面上では「200」で表示されます。

ここで、例えば、尺度「100」を設定したからといって、実際違う尺度にしたいな、となった場合も大丈夫です。「オブジェクトのプロパティ管理」で尺度をいじれますのでご安心ください。

「内容」タブの設定例

「内容」タブの設定です。文字の種類や、引出線の接続形式になります。

ここのタブで重要なのは、文字の高さ、引出線の接続です。

文字の高さは、あくまで、紙(もっと言えばA1サイズの紙)で出力した時の高さです。なぜか?もうわかりますよね!

「引出線の構造」タブの設定で「尺度」を設定したからです

「内容」タブの設定画面

「引出線の接続」の設定です。「先頭行に下線」を選択すると、目標とする引出線のようになります。

(土木)一般で使用する引出線であれば、「先頭行に下線」ですが、他にもいろいろな接続方法を選択できます。下の記事に他の接続方式をご紹介しましたので参考にしてください。ここでは、省略いたします。

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マルチ引出線(MLEADER)の書き方

ここまで設定すれば、あとは、ハッキリ言って、いままで研究してきた、旧引出線とやり方は(ほぼ)同じです。

というよりも、もっと簡単に書くことができます。「引出線(LEADER)」、「クイック引出線(QLEADER)」を書く時は、折れ点をクリックして指定した後に、水平方向に参照線を必ず作っていました。そうしないと、角度がズレてしまうからでした。

「マルチ引出線(MLEADER)」の場合は、そういうことをしなくても大丈夫です。折れ点だけクリックすればよくなったのです。

マルチ引出線(MLEADER) コマンド呼び出し

コマンド、またはアイコンでマルチ引出線を呼び出します。コマンドは、「MLEADER」ですが、短縮版で「MLD」としても大丈夫です。

始点をクリック 動きが拘束される場合は、直交モード(F8)で制御

矢印の始点をクリックします。設定した角度(今回で言えば60°)に拘束されますが、たとえば、120°側に書きたいのに、方向が固定されることがあります。

そういった場合は、直交モード(F8)がオン(明かりが灯った状態)になっているはずです。これをオフ(明かりが消えた状態)にすれば、方向を変えることができます。

直交モード(F8)がオンだと方向が拘束される
直交モード(F8)がオフすると、方向を変えることができる

折れ点にしたいところクリック 水平方向に参照線をクリックする必要はなし

折れ点にしたいところをクリックします。このとき、「引出線(LEADER)」、「クイック引出線(QLEADER)」と違うところですが、水平に参照線となる点をクリックしなくても大丈夫です

「引出線(LEADER)」、「クイック引出線(QLEADER)」の場合は、水平に参照線を設けないと、設定している角度がズレてしまいました。

この動作を「マルチ引出線(MLEADER)」ではする必要がありません。

マルチ引出線のスタイル設定で、参照線を設定している場合は、自動で参照線が設けられます。

水平方向にクリックする必要はありません

文字入力 確定は Ctrl + Enter

文字を入力します。確定は、「Enter」ではなく、「Ctrl + Enter」です。「Enter」すると、続けて下段に文字を書けます。二段書きや三段書きができるということです。

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まとめ

旧来の引出線よりも、簡単に書くことができます。角度も旧来のようにズレません。要は最初のスタイル設定です。

次回は、マルチ引出線にまつわる、まとめのトピックスを扱います。

引出線のちょっとした「弱点」が実はありますので、ご紹介したいと思います。

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引出線の仕組み、クセを読み解き、美しい引出線で図面に華を沿えましょう。

ぜひご活用ください。

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