【AutoCAD】引出線の研究10_引出線上の点に吸着しない問題の対処法を考える

こんにちは、荒川編集室代表荒川(以下:筆者)です。

これまで、引出線3種類、すなわち、「引出線(LEADER)」、「クイック引出線(QLEADER)」、「マルチ引出線(MLEADER)」について研究してきました。

新たに図面を新規作成するなら、「マルチ引出線(MLEADER)」を使ってみてください、という話でした。

今回は、利点ばかりご紹介した引出線ですが、弱点もありますよ、というお話と対処法を研究してみます。

普通に、引出線を使う分には、全く問題ありません。

ちょっとマニアックな部類の話題になります。

引出線上の点を吸着しない問題

引出線の角度を60°にしたことを示すために、引出線に角度寸法を記入して、説明してきました。

何気なく記入してある角度寸法だが・・・

何気なく書いてある角度寸法ですが、実は、そのままでは記入できません。

AutoCADの仕様上の問題でしょうけども、引出線上は、オブジェクトスナップが吸着してくれません。引出線を線として認識してくれない、ということです。

先ほどの、角度寸法について言えば、線を認識してくれないので、角度の寸法を記入することができなかったのです。

基本的に、引出線上に線を吸着させることはないのでこういう仕様になっているのかもしれません。

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引出線は吸着してくれないが、矢印端点、折れ点、参照線端点には吸着してくれる

あくまでも、引出線に吸着しないのであって、矢印の端点や、折れ点、そして参照線端点には吸着します。

ですので、矢印の端点をつかんで、矢印の示す点や線に吸着させることはもちろん可能です。

ちなみに、どうやって角度寸法を書いていたかと言うと、単純に、引出線と重ねるように線分を引いておりました。矢印端点と折れ点の間はオブジェクトスナップが効くので線分を引いてあったのです。

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矢印端点に吸着してくれればいいんでね?何が問題なの?

実用上、矢印端点に吸着してくれれば問題がないです。

何が問題なん?

もって回った言い方になってしまいました。

引出線上の点を吸着してくれない(線として認識してくれない)ことによって起こる問題とは、

「引出線角度を保ったまま(ここでは60°)、引出線を伸ばしたり、短くしたりできない」

ということです。

このことについて、対処法を考えていきます。

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引出線角度を保ったまま、伸縮する方法を考える

矢印の端点をつかんで、目的の点に吸着させることができますので、引出線の角度が崩れて(変わって)もいいのであれば、全く問題ありません。

ほとんどの人は、多少角度がズレたくらい気にしないと思います。そういう方は、この記事を読む必要はありません。

上司や発注者によっては、特に、昔気質な方に多いですが、この辺のことに大変細かい人もたくさんいらっしゃいます。

目を皿のようにして、この辺の細々したことを発見する人がけっこういるのです。そもそも引出線なんかは、注釈であって目的物でもなんでもないのですが、この辺の直しを要求されることもしばしばあると思います。

そういうときどうするか、をここでは研究していきます。

いざ、角度を保って引出線を伸縮したいのに、引出線の線部分を認識してくれないので、そのままでは伸縮できません。

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「仮想交点」を使用して延長する

オブジェクトスナップが効かないと書いてきましたが、いくつかは、かろうじて効きます

その一つが「仮想交点」です。

①引出線の矢印端点をクリックしてつかみます。

②「Shift + 右クリック」すると、オブジェクトスナップの優先キー一覧が出てきますので「仮想交点」をクリックします。

③吸着させたい線にマウスを近づけると、「×」マークが出てくるので、そこでクリックします。

ただし、目的の線ピッタリになります。もうちょっと中に突っ込みたい、なんていうときにはこの手はつかえません。下の図のようなときです。

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補助線を書いて、さらに「仮想交点」を使う

線がない任意のところまで引出線を伸ばしたいときにどうするか?

一番手っ取り早いのは、任意のところに水平な補助線を引いて、さらに上で書いた「仮想交点」でもって引出線矢印をぶつけるやり方です。

簡単ですが、補助線を書く手間と、書いた補助線を消す手間が出てきます。

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「ダイナミック入力」モードを使う

何かと、便利な機能に「ダイナミック入力(F12)」があります。

引出線を角度設定することなく、この機能を用いて角度を指定することもできました。この機能を使って、引出線を延長することができます。

「ダイナミック入力(F12)」は、若干うざったく思い、筆者は使っていませんが、F12キーを押すことによって、気軽に呼び出しができますから、必要な時だけ使用することも可能です。

上の画像のアイコンがない場合は、下の画像を参考に、アイコンを呼び出してください。

実際に、どうやってやるのか、というと、引出線の矢印をクリックしてつかむと、ダイナミック入力の入力画面が出てきます。

まず長さ入力欄にフォーカスされますので、「tabキー」を押して、角度入力欄にフォーカスさせます。

そこに、角度を入力します。今回の例で言えば60°です。

60とここで入力して再び「tab」です。「Enter」を押してはいけません。長さが調整できなくなります。そうすることによって、長さの入力欄にフォーカスされます。

引出線を短くする場合は、マウス操作できます。いいところでクリックしてください。

問題は、延長するときです。思う方向に伸びてくれません。そう言った場合は、長さの入力欄に、「ー(マイナス)」側の数字を入れてやる必要があります。

尺度感がわかっていないと、数字を入れるというのは難しいと思いますので、実用的ではないかもしれません。

やろうと思えば、こういうやり方もある、くらいに覚えておいてください。

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オブジェクトスナップ「平行」+補助線を用いて引出線を伸縮する

筆者が通常使っている方法です。この方法を使えば、補助線をいちいち引く必要も、ダイナミック入力を呼び出す必要もありません。

いちいち補助線を引く必要はありませんが、最初に一回引いておく必要はあります。その補助線を何回も使います。

そして、引出線において、数少ない使用可能なオブジェクトスナップである「平行」と併用して引出線を伸縮します。補助線を使用する方法のハイブリッド型と言ってもいいかもしれません。

上の図のように、図面に支障しないところに、補助線を引いておきます。

使用する補助線部分を拡大したのが、下の図になります。この例では、60°、120°、240°300°が引いてあります。なんだったら、60°と120°だけでも大丈夫ですが、ビジュアル的にわかりやすいように、各象限に60°の線を引いておきます。

さて、欄外の補助線を使って、どうすんの?というところです。

そこで、オブジェクトスナップの「平行」を使用します。そうです。この補助線に平行な線が、すなわち、引出線で設定した60°なのです!

①引出線矢印端点をクリックしてつかむ
②「Shift + 右クリック」で「平行」を選択

オブジェクトスナップの設定で、常態的に「平行」を選んでいる場合は、このステップは不要です。

そうでない方は、「Shift + 右クリック」で優先スナップの一覧を呼び出し、「平行」を選択してください。

③補助線にマウスを近づけて「平行」マークを出現させる

参照したい方向の線にマウスを近づけて、下の図のようなマークを出現させてください。

図にもありますが、マークが出ない、という方は、すこし画面を引いて(全体を見えるようにして)ください。そうすると出現しやすいです

この時の「超注意点」ですが、クリックしないでください

そのまま、目的の場所に持っていってください!

④参照線に沿って、矢印をスライドさせるようにして目的の場所でクリックする

もう一度書きますが、「平行」マークが出てもクリックしないで、目的の引出線のところまで持っていきます。

そうすると、補助線に平行な参照線が出現します。

これに沿って、スライドさせるようにしてゆっくり目的のところでクリックしてください。

拡大とかしてしまうと、参照線が消えてしまいますので慎重にスライドさせるように移動してください

この方法で、角度を保ったまま、引出線を延長または縮小することができます。

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まとめ

現実的に引出線上の点に吸着させるようなことはあまりないので、今回取り扱った、線の延長や縮小が大きな問題になってきます。

筆者としては、最後にご紹介した方法が一番いいかな、と確信しています。

あまり、補助線と引出線の位置が遠いとそれはそれで不便ですので適宜、オブジェクトの近い位置でさしつかえない場所に補助線を移動するなどして運用してください。

どちらかと言うと、オブジェクトスナップの「平行」のやり方説明みたいになってしまいましたが、それはそれで活用いただければ幸いです。

ブログ記事に連動した動画をアップしましたので、よろしければ動画もご覧ください。

音声が入っておりますので、会社などでご視聴の場合ご注意ください。

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引出線の仕組み、クセを読み解き、美しい引出線で図面に華を沿えましょう。

ぜひご活用ください。

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